実例
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- 科学技術振興機構 – サイエンスウィンドウ
日本の科学技術を紹介する
英語版冊子の制作
Client国立研究開発法人 科学技術振興機構
2016年1月~2月
科学技術振興機構は、科学技術振興を目的として設立された文部科学省所管の国立研究開発法人で、2006年から日本の科学技術を紹介するための冊子「サイエンスウィンドウ」をこれまで60冊以上発行してきました。この冊子では写真や図解で楽しみながら科学の知識を身に付けることができます。このたびアーバン・コネクションズは、この冊子の英語版を制作すべく、コンテンツ選定、英訳、英語ライティング、デザイン・レイアウトを担当いたしました。この英語版が世界各地で行われる科学技術のイベントで無料配布されるためです。この冊子を手にした世界中の人々に日本のオリジナリティ溢れる優れた科学技術等の紹介をするだけでなく、科学全般に対して興味を持ってもらうことをねらいとしていました。
英語編集者がお客さまの意図を深く理解し、共に制作
アーバン・コネクションズには、社内常駐の英語ネイティブスピーカーの編集者が複数名おります。この英語編集チームは、日本語能力が高いだけでなく、日本のビジネスマナーや考え方をよく理解しています。それぞれのプロジェクトによって異なるお客さまの意向をしっかりと汲み取り、お客さまと共に制作物を完成させることのできる編集力も持ち合わせています。このプロジェクトでは、完成までお客さまと5回の打ち合わせを設けました。まず、何よりもこれまで日本語版を制作されてきた編集長はじめ編集メンバーの皆さまのこのプロジェクトに対する思いや目的を共有いただき、お客さまとアーバン・コネクションズがチーム一丸となって完成させていくことを確認しました。お客さまがイメージされている内容をお伝えいただき、弊社はそれらを具体化してご提案、その後、方向性に間違いがないか詳細なすり合わせを重ねながら進めました。
お客さまは日本人の編集チームで、弊社の編集チームは、欧米で生まれ育ったメンバーが中心のため、言語や文化の違いから制作過程でコミュニケーションの障害が生じやすいと考えられます。しかし弊社の編集者はこのような問題を感じさせないスムーズな言語力、ご提案力、コミュニケーション力で解決していきました。例えば、使用する写真では、日本人に比べ欧米人はダイナミックでインパクトの強い写真を、枚数を絞って使用することを好む傾向があります。そのような構図や写真の好みの違いについて私達からご提案する際、お客さまのご意見を取り入れながらもご納得いただくまでご説明いたしました。
外国人の目線からコンテンツを選び、編集
英語版で採用するコンテンツの選択では、日本語版の数あるアーカイブの中から、アーバン・コネクションズの編集者が日本らしくかつ、身の回りの科学に対し気づきを与えられるようなコンテンツを選んでいきました。メインコンテンツ、サブコンテンツは、日本のロボット開発技術についての記事が選ばれました。欧米でロボットと言うと、人間から労働力を奪うもの、時に強大な力で人間を打ち負かすものといったマイナスのイメージを持たれることがあります。しかし日本では、ペットとしてまたはパートナーとして癒しを与えるロボット開発が多く行われており、故障しても修理をして大切に扱う文化があります。この点が外国人にとって大変興味深いものであることを捉え、ページ構成を考えました。日本語テキストを英語にする際は、単なる英訳ではなく、外国人に馴染みのない背景については補足を入れたり、読みやすさを重視して内容を大きく削ったり、また見出しも元の日本語に捉われず、英語としてキャッチーなものを創り出していきました。
国の壁を越えた編集チーム
完成した英語版の冊子は、お客さまの目的を果たし、イメージ通りの仕上がりになったと大変満足して頂きました。また何よりもこの試みを手探りで進めながらも、弊社の編集者とは国は違えど、常にスムーズなコミュニケーションができ、情熱を共有した一つのチームになれたことを大変喜んでいただきました。この英語版サイエンスウィンドウは、世界中の子供達の手に渡り、日本の素晴らしい科学技術や文化を伝える役割を全うしているはずです。そして次世代を担う子供たちは日本や科学に興味を持ち始めているかもしれません。このようなスケールの大きい制作プロジェクトをお客さまと共に、今後も行っていければと考えています。